2018年 01月 19日
続・ウサギとカメ 普通である勇気 |
ウサギはカメさんに負けたことが悔しくて仕方ありませんでした。どうして居眠りをしてしまったのだろう。普通に走っていれば負けないのに。
考えれば考えるほど、自分に腹立たしく、眠れない日が続きました。そして、もう一度カメさんと競争して勝つしか、立ち直れないと思いました。
そこで、ウサギはカメさんに「もう一度、競争しよう。普通なら私が勝つはずだ」と、言いました。カメは「ああ、いいよ」と、快い返事をしました。
ウサギは今度こそ居眠りなどせず、普通に走ろうと思いました。
そして、ウサギとカメは山のふもとまで競争をしました。やっぱりウサギが早く、カメさんがどんどん遠くに離れていきます。そのうちカメさんが見えなくなりました。
ウサギがマイペースで走っていると、後ろからするすると犬が走り抜けました。ウサギより少しだけ大きい犬でしたけど、ウサギは私の方が早いはずだとペースを上げて犬を追いかけました。犬と競争になりましたが、犬の方がちょっとだけ早い。ハア、ハア、ハア‥‥‥。ウサギは息が苦しくなりました。ハア、ハア、ハア‥‥‥。
ウサギは息が切れ、気分が悪くなって木陰で休みました。心臓がパクパクし、胸がムカムカして吐きそうでした。あまりにも苦しくて動けません。何故かウサギは普通ではなくなっていたのです。
ウサギは木陰で休みながら、「犬は私より大きいもんな。足も長いし、本気で走れば負けても仕方ないなあ」と思いました。そして、カメさんを馬鹿にして、駆けっこをした自分が情けなくなりました。
元気を取り戻したウサギはカメさんを迎えに戻りました。
「おーい、カメさん!」
カメさんは自分のペースでこちらに向かっていました。
by ナツメ
by good_natsume
| 2018-01-19 21:30
| 創作物語